2010年11月27日から2日間にわたって行われたがん薬物療法専門医資格認定試験は、筆記試験と口頭試問があり、終わったときには「これはとても合格してないだろう」という感触でした。筆記試験はかなり難しい印象だったし、口頭試問はまずまずのできだったと思うのですが途中で答えに詰まるようなところもあり、半ばあきらめの気持ちだったのです。その後1ヶ月半ほどは、通常の病院勤務にもどり、変わらぬ日常業務をしながら過ごしていました。

 2011年1月。日本臨床腫瘍学会から、こんなメールが届きました。「・・・・・。第6回専門医認定試験の合否につきまして、1月14日、○○運輸メール便にてご登録送付先住所にお送りいたしましたのでご確認ください。正式認定につきましては次回理事会にて承認後、2011年4月1日となります。・・・・・」

 なんか、意味深ではありませんか。合格ですとは書いてないけど、正式認定は4月1日ですと書いてある。合格してるのか? はっきりしてくれー。そんな気持ちで数日間待っていると、今度はこんな文書が届きました。

 

日本臨床腫瘍学会
第6回専門医認定試験結果

合格

 日本臨床腫瘍学会学会理事長

 

 どうやら合格のようです。何とも素っ気ない通知ではありませんか。でも合格は合格です。試験のできがあまりよくなかったことを考えると、やはりかなり喜んでいいのでしょう。試験に合格したことで、私の中身が変わったわけではありませんが、やはりそこに至るまでに様々な経験、研修、自己学習、試験勉強などを経験したことは大きな財産であっただろうと、今になるとしみじみと実感します。また、認定を受けてからは、専門医としての自覚も強くなり知識や経験をよりどん欲に吸収しよう、病院のそのほかの職種の人と一緒にがん治療を勉強してゆこうという姿勢が強くなりました。

 また、テレビや新聞に出る機会もありました。テレビは、NHKの「クローズアップ現代」で日本のがん治療についての現状を伝えるドキュメンタリーでした(わずか数分の出演でしたが)。新聞では地域のがん対策キャンペーンの講演を伝える内容でした。

 こうしてめでたく合格することができたわけですが、次回は、今おかれている状況と、将来の展望について、最終回としてお伝えしたいと思います。

 いよいよ6月16日に島根県隠岐の島で開かれる100kmウルトラマラソンが間近となりました。5月はがんばってトレーニングを重ね、一ヶ月の走行距離が170kmとまずまずトレーニングを重ねてきました。しかし、100kmは常識はずれの距離に違いありません。一体どうなるのでしょうか。自分でもわかりません。結果も次回(最終回)でお伝えします。  

2013年6月14日 奥出雲病院 外科 鈴木賢二