いよいよ3月に入り少しずつ暖かくなってきました。
平野部の方には信じられないかもしれませんが、ここ奥出雲町では、3月に入ってもまだかなり雪が残っていました。でもこのところの暖かい雨で、その雪もようやく消えかかっています。そして春の空気がどこかからか少しずつ運ばれてきました。
さて、前回は外科医をしながらいろいろ考えて、がん薬物療法に本気で取り組もうと決心したところまでをお話ししました。今回はこの続きを書いてみたいと思います。
がん薬物療法に本気で取り組むためには、怠け者の私にとっては勉強せざるを得ない環境に身を置くのが一番いいだろうと考えました。もちろん、そのときどきの必要に応じて自分で資料を集め、勉強してゆくことはできます。そのように努力されている先生方もたくさんいらっしゃいます。でも私は元来怠け者なので、どうしても「だいたいこのくらいでいいだろう」「ここから先はまた今度やろう」という考えに流されることは目に見えていました。半世紀近くも生きていると、自分のそういう欠点というのは嫌というほど思い知っているのです。
そんなわけで、がん薬物専門医を目指そうと決心しました。この資格がその時の私にとって、容易ならざるものであることは何となく知っていました。頑張らないと資格が取れないというその環境こそ、自分が求めていたものだったのかも知れません。
日本臨床腫瘍学会という学会が、この専門医資格の試験を行い認定しています。そこでこの学会のホームページを調べてみると、何やら難しそうなことがずらずら書いてあります。
「医師国家試験合格後2年の初期研修を終了した後に5年以上がん治療の臨床研修を行っている者」。うん、これはクリアできている。
「各科の基本となる学会の専門医の資格を有している者」。よし、外科専門医、消化器外科専門医だからこれも大丈夫。
「認定研修施設において、所定のカリキュラムに従い2年以上がん薬物療法を主体とした臨床腫瘍学の研修を行い、これを修了した者」。はあ? 認定研修施設? 所定のカリキュラム?
「臨床腫瘍学会が主催する教育セミナーへの2回の出席」。これは、行けばいいんだな。
「臨床腫瘍学に関連した論文1編と、臨床腫瘍学会での発表1回」。・・・・
「がん薬物療法を行った症例30例(異なる3領域以上)の症例実績報告」。自分の専門である消化器だけではだめなのか。。。
「年一回の試験(口頭試問と筆記試験)」。うーん、難しそう。
これを読んだだけで、くらくらしてきました。まず認定研修施設って、なんだ?
そこで、2008年1月、私の母校である島根大学医学部(まあ、私が卒業したのはまだ島根医科大学と呼ばれていて島根大学と統合前でしたが)のホームページをあたってみると、ありましたありました。「がんプロフェッショナル養成プラン、腫瘍専門医育成インテンシブコース」なるものを発見。社会人向けのコースのようです。まずここに問い合わせてみればいいんだな、ということで早速電話を入れてみることにしました。さあ、いったいどうなるんでしょうか?この続きは次回に…。
3月に入り暖かくなりテニスもシーズンインです。冬の間は奥出雲町のテニスコートは積雪のため使えなくなり、松江や出雲ですこしずつテニスをしていましたが、ようやく奥出雲町のテニスコートの雪も融けました。再びテニスもたくさんできるようになってわくわくしています。
もう一つ、今年の前半の目標として決心したことがあります。それはなんと、6月17日に開催される「隠岐の島ウルトラマラソン50kmの部」に出場し完走することです。ひょんなことから昨年暮れに、この大会に参加することを決意し、1月末からはランニングのトレーニングも開始しています。
テニスとランニングと大忙しで、いったい私は大丈夫なんでしょうか?(おいおいその前に、仕事はどうなった??)
2012年3月12日 奥出雲病院 外科 鈴木賢二